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早くこの爆弾をどうにかしなければ、課長に告白できないな。
冷静に考えよう。
などと思っている時点で、実は然程、胡麻子は冷静ではなかった。
本来選ぶべき選択肢は、
逃げて告白する。
或いは、
今すぐ、
「好きですっ」
と叫んで、研介の手をつかみ、走って逃げる。
のどちらかだったのだが、そのどちらも思いつきもしなかったからだ。
赤と青のコードを選ぶより簡単な選択肢だったはずなのだが……。
また、
「好きですっ」
ほど短くまとめなくとも、
「出世頭で、イケメンなところじゃなくて、くしゃみが可愛いところが好きですっ!」
と思いの丈すべてをぶちまけても、数秒しかかからないはずだった。
だが、何故か、胡麻子は此処で告白することに固執していた。
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