想像じゃないよ、妄想だよ!

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想像じゃないよ、妄想だよ!

名探偵の名前はどうしようかな! 井上勇樹だと自分で言うのもなんだけど普通なので……(泣)上井樹勇かな! 読み方は「うえい きゆう」でいいや!きゆうってなんか国語の授業を思い出す名前な気がするけど、授業ほとんど廊下で過ごしてるし勘違いだよね、問題ないよね多分! さてさて。 「名探偵上井先生!この密室殺人の謎を解いてください!」 事件現場にやってくると、警察官が必死な顔で僕に頼み込んできた。 「ふむ、任せたまえ。」 任せたまえ以前にみっつしサツジンが何かよくわかってないんだけどね実は僕。 僕の脳内キャラ難しい言葉使ってくるなぁ。 「ところで殺人の状況は?」 「ですから密室です!ドアには内側から鍵かかかっていて、部屋に一つしかない窓もやはり内側から鍵がかかっていました!抜け穴等は見つかりません!」 ビシッと敬礼する警察官。 「何だ、それでみっつしっていうの?そんなの簡単な謎じゃないか。」 「もう謎が解けたというのですか!?」 警察官の目が輝く。僕はビシッと人差し指を突き付けた。 「要するに、犯人は窓から逃げたんだよ!」 「ですが、窓には鍵が。……まさか!」 明らかにがっかりした顔で反論した後ハッとする警察官に、(テレパシーが使えない)僕は「そのまさかだよ!」と指を突き付ける。 「そう、窓ガラスを割って逃げたんだ!ドアは硬くて割れないけど、窓ガラスならちょっとぶん殴るだけですぐ割れるし。僕は教室でチャンバラをしていてあっさり窓を割ったことがあるから分かるんだよ。」 後半は早口で言った。 「ですが窓は割れていませんよ。」 窓を指さす警察官。 「そんなの接着剤か何かを使えばすぐ直るじゃんか。」 「おおー!……いやでも、窓の外は雪が積もっていて、足跡はありませんでした。」 「犯人が逃げた後で雪が降ったのだよ、わとそんクン!」 「そんなに都合よく雪が降るでしょうか?」 「いい質問だ!それは神頼みだよ!雨乞いがあるんだから雪乞いがあってもおかしくないと思わないかい!?」 「おおー!」 「後で雪が降れば地面の足音を誤魔化せるし、雪の上に足跡がないから犯人は窓から逃げたのではないと思わせることもできる。さあ、犯人がこれで絞り込めるぞ!雪乞いが出来る人間なんてそうそういるはずがないからすぐ分かるさ!」 「おおー!」 感動する警官。さっきから他の警官は僕が推理を言うたびに冷たい目をしてる気がするんだけど気のせいだよね。僕は修正ペンで周りの警官の視線を感動と尊敬のまなざしに変える。 「はーはっはっは!世界の全て(の謎と犯人)は僕の目の前に平伏すのだはがっ!?」 ゴンガンバキン! ピシャーン!
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