朝礼中に妄想してただけなのに(いや、それだけで重罪)

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朝礼中に妄想してただけなのに(いや、それだけで重罪)

「……勇樹。お前自分が何したか分かってるんだろうな。」 僕はその声で理解した。 さっきの不吉な音が頭を殴られた音だって事と、あと理解したんじゃなく思い出したことがある。 その一。今は朝礼中。 その二。僕は妄想してるうちに現実でも声に出したり体を動かす癖がある。 つまり。 「校長先生が『謙虚に生きましょう。』とお話されて一秒もしないうちに高笑いしながら『世界の全てが僕の目の前に平伏す』とはいい度胸だな。どういう事か説明してもらおうか。」 「井上君また君ですか。私の話が理解できていなかったようですね。」 ステージの上から校長先生も僕を睨みつけてくる。 「え~っと。」 恐る恐る周りを見渡す。 「さっきからボソボソ何かつぶやいてたぞアイツ。」 「なんか急に人差し指背中に突きつけられたんだけど何あれ。」 「っていうか世界の全てが平伏すとか怖くね?」 「私は校長先生の話を遮った方が怖いなぁ。」 「やっぱ関わりたくないよな。」 ……。 「これが終わったら校長室で先生と校長先生と勇樹君の三者面談をやろうね。怖くないから安心して校長室においで、勇樹君。」 先生の目がマジだ。 ランドセルにつけてあるあのピリリリリッて鳴るやつ、まだ電源あるっけ? フラフラ―と抜けていく意識の中でそんなことを考える僕に待ち受けている未来のことは、しばらく聞かないで欲しい……。                <fin>
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