2-Love

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 誉の声が上がった。  聖は手にしていたグラスを落としてしまい、それが誉のジーンズに掛ったのだ。  ワインは、そのまま床の高価そうな絨毯へと沁み込む。 「っ! 何か、拭くものは……」  慌てて身を翻そうとした誉だが、聖の微笑みを見てその動作は金縛りにあったように静止した。 ――――美しい。とにかく目が離せない程に。 「あ――」  言葉を失う誉に、聖は両手を差し伸べる。  その指は、誉のベルトに掛った。 「悪い、ワインが掛かってしまったな。染みが出来てしまう前に脱いで、これは洗濯機に放り込んでこい」  言われるままに脱ぎ捨てるが、誉の視線は一秒たりとも聖から離れない。 ――――離せない。  ガウンの襟元から覗く白い胸は、決して女性的ではない。程好く筋肉も付いていて、むしろ女性に好かれそうな肉付きをしている。  触ったら、どんなだろう?  無意識にそう思い、そう考えた自分にカッと血が上った。 「こ、これは安モンだから、別に染みになってもいい。それより、床の絨毯の方が大変だ。急いで処理しないと――」 「処理しないといけないのは、こっちの方が先じゃないのか?」  クスクスと笑うと、聖はつーっと指を這わせた。  その指先は、天に向かって屹立している誉のボクサーパンツだ。 「なぁ?」  その頂点をピンっと指で弾くと同時に、誉は前屈みになって小さく呻いた。 「うっ……」  思わずその場で両膝を着いた誉を前に、聖は少々驚きの声を上げる。 「おいおい、まさかこの程度でイッちまったのか?」 「……」  誉の顔は、真っ赤になった。
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