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誉の若い情熱と、不器用な優しさは、その覚悟をぐらつかせる。
「――いいから、来い」
「だ、だけど……」
先程は自分の欲望を優先させて、聖の身体に負担を掛けてしまった。
今直ぐにでも侵入したいのを必死に堪え、誉は訊ねる。
「本当に、いいのか?」
「ああ」
その甘い声に、脳髄が痺れた。
暴走しそうになる獣を抑え込み、極限まで己を律しながら、本当にゆっくりと男根を侵入させる。
「うぅ……」
熱く蠢く肉壁の絶妙な締め付けに耐え切れず、誉の呻き声が漏れる。
気を抜くと、途中で根負けして放出しそうだ。
その前に、ガンガンと奥を突いて快感の絶頂を極めたくなる。
(それはダメだ、まだ――)
誉は苦悶の表情になり、額に血管を浮き上がらせながら、その欲望に耐える。
そうして、聖が望んだように、ゆっくりと奥の方を抉るよう腰を動かした。
すると、ずっとうつ伏せだった聖の身体が、魚のようにビクリと跳ねる。
「んぁ!」
「っ!!」
その瞬間の締め付けたるや!
とても誉には耐え切れるものではなかった。
たちまち、熱い肉筒の中へと精を放出してしまう。
だが、ここでリタイアはしない。
まだまだ、身体の芯から熱く滾って来るものがある。
その所為か、放出したにもかかわらず、いまだ誉の男根は力を失っていなかった。
誉は抜かないまま、幾らかの余裕を以て、奥のコリコリした部分を先端で刺激する。
すると、明らかに先程までと違う声音の、甘く鳴くような喘ぎが聴こえた。
「あ、あ、あ……んぅっ!」
跳ね上がる背中に、緋色に染まる全身。飛び散る汗までが甘い香りがする。
聖が、本当に本気で感じ始めている事を知り、誉は自信を取り戻した。
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