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巧みに腰を使いながら、ピタリと上体を寄せ、綺麗な背中へ舌を這わす。
すると、背の華がますます鮮やかな色へと変わった。
「うぁ……あっ」
聖の、感極まったような熱い吐息がもれる。
「――」
あまりの快楽に、誉は声を堪えるのが精一杯だ。
尻を穿ち、むしゃぶりつく様に背の華へと口付けを落とす。
感じる場所を責められて、濡れ光る華は極上の色に輝いた。
「あんた、最高だ…………オ、オレはどうだ?」
「……」
答えの無い聖に焦れて、誉は背後から手を廻して聖の前方に触れようとした。
だがその手は、パシッと聖に阻まれる。
「こうやって――あぅっ――抱いている相手が男だって意識したら、また、ガッカリするんじゃ……ないのか?」
「そんな事はない!」
――――もう、そんな事には絶対にならない。
何故なら、どんどんこの美しい男に魅せられていく自分をさっきから自覚している。むしろ今は、自分のモノとはやはりどこか違うのか、ジックリと間近で鑑賞したい気分だ。
「……ふふ」
聖はそれを聞くと、笑ったようだった。
綺麗に揺れる背中は見ていてもドキドキするが、やはり背中などではなく、傾国の美女と評された麗しい顔が見たい。笑顔が見たい。
今更ながら、背を向けさせたことを後悔し、誉は己の限界が近付いている事に無念を感じる。
「ごめん、もう我慢できない」
白い肩に手を置くと、誉は渾身の一撃を放った。
体内を逆流する熱い奔流に、聖も細い声を上げて達する。
「あぁ……!」
聖も命の泉を噴き上げると、そのまま力尽きたように、ドロドロになった褥へと互いに身体を投げ出したのであった。
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