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シャツの袖がみっともないほどぐしょぬれになった頃、ようやく涙が止まった。
泣いていたって何も解決しないし誰も助けてくれない。
それでも、やっぱり涙を流すことには何らかの浄化作用があるのだ。
まるで身体の中の精神的な毒素が、涙に溶けて排出されるかのように。
(でもいい加減、いつまでもここにいるわけにはいかないし……)
そう思ってベッドから出ようとした時だった。
あのピッという電子音が聞こえた。
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