3-浄化

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戻ってきたヤンキー救命士は、きっとひどいことになっているだろう私の顔を見ても、顔色一つ変えなかった。 普通ならぎょっとしそうなものなのに。 そして何事もなかったかのように──まあ、彼にとっては何事もなかったのだけど──私のそばまでやってくる。 「──!」 一瞬、何が起きたのかわからなかった。 でも気づけば、その腕の中に抱きすくめられていたのだ。 絶妙に溶け合った汗のにおいと柔軟剤の香りに包まれる。 「……あの」 何か言わなきゃと思って口を開いたのに、後がうまく続かなかった。
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