1-炎天下で

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(はあ……もうやだなあ……) ついさっき終えた面接も、あまり手ごたえは感じられなかった。 というか、そもそも手ごたえって何だろう。 完璧な受け答えができたと思った時ですら、数日後にはサイトを通してた。 一度や二度ではない。 時には面接の真っ最中にすら、その結果が透けて見える。 売り込んでは断られ、また売り込んでは断られる──就活なんてずっとその繰り返しだ。 届いた不採用通知の数だけ、言ってみれば「要らない」と言われ続けているのにほかならない。 就活を続けていると、いかに自分が社会にとって価値のない人間なのかを、否応なしに突きつけられる。
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