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4-見えてきたもの
「うう……」
目が覚めると自分の家のベッドの上にいた。
いつの間に帰ってきたのだろう。
むくりと上体を起こしてみれば、床に放り出されたスーツが目に入る。
ベッドに倒れ込む直前、最後の力を振り絞って脱ぎ捨てたらしい。
が、全く覚えがない。
私の記憶では、面接終わりに駅へと向かう途中で倒れ、ビジネスホテルで目が覚めたのだ。
助けてくれたのは救急救命士を名乗るバリバリのヤンキーで──…。
(……いやいや、我ながらなんという突拍子のなさ……)
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