5-病院にて

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「そんなこと言ってないで。もう、倒れるほど無理しないでよ……」 私は心の底から言った。 連日の酷暑は過ぎ去り、少し過ごしやすくはなってきた。 それでも、季節の変わり目というのはいつだって、体に負担がかかるものなのだ。 「あ、でもね。良いこともあったよ」 そんな私の心配をよそに、美波は明るい声で話し続ける。 「救急車で診てくれた救急救命士の人がね……」 救急救命士──? その単語に心のどこかが反応する。 (ああ、そういえば……) とんでもなく暑かった日に見た夢に出てきたのだ。 救急救命士を名乗る青年が。
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