5-病院にて

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(──ん?) すっかり忘れてしまっていたけど、彼はたしか「星条総合病院の」と言わなかっただろうか。 奇しくも美波が運び込まれたこの病院のことだ。 「……え、その救急救命士、もしかして金髪だったりした?」 まさか、と思いながら聞く。 けれど美波は怪訝な顔をしただけだった。 「金髪ぅ? いや日本人だから。黒髪黒髪」 「だよね……」 夢はやはり夢なのだ。 思い出ですらない。 でも少しだけ、もう一度会いたいなと思ってしまった。
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