12人が本棚に入れています
本棚に追加
(──ん?)
すっかり忘れてしまっていたけど、彼はたしか「星条総合病院の」と言わなかっただろうか。
奇しくも美波が運び込まれたこの病院のことだ。
「……え、その救急救命士、もしかして金髪だったりした?」
まさか、と思いながら聞く。
けれど美波は怪訝な顔をしただけだった。
「金髪ぅ? いや日本人だから。黒髪黒髪」
「だよね……」
夢はやはり夢なのだ。
思い出ですらない。
でも少しだけ、もう一度会いたいなと思ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!