6-黒と金

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6-黒と金

「……すみません。面会ありがとうございました」 来るときにも寄った病棟の窓口で声をかける。 すると中の職員さんが「はーい」と書類から顔を上げた。 (ちょっとだけならそんなに迷惑にならない……かな?) そんな希望的観測のもと、私は口を開く。 「あの、変なことをお聞きしますけど……こちらに金髪の救命士さんっていらっしゃいます?」 言ったそばから後悔した。 職員さんの目が文字通り点になったからだ。
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