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恵美.19歳.1
電話の向こう側、やかましい音楽。途切れ途切れに聞こえてくる声。
ふいに静かになる…「もっしもし?誰ん?」
懐かしいトオルの声…誰に対してもふざけたような口調。
真面目になった事ってあるのかしら?
私は思った。
「私…覚えてますか?」
多分覚えてない…もう二年の前。
「う~ん…ヒント欲しいなぁ」
笑いながらトオルは言った。
「ヒント…500万」
トオルにつられての私の返事。
「お~う!恵美ちゃんかぁ。どうした?さぞかしおっきくなったんじゃね?胸が!」
トオル…高いテンションが更に高くなる。
「仕事したいの…」
私は最初に言った…ダラダラ話すと決意が揺らぎそうだったから…。
トオル…「いいよ~。普通の金稼ぎじゃつまんないんだろ?」
とても軽い返事。あっけなかった…私は拍子抜けした。
トオルは店の名前を言った…「ほとんどそこにいるからね」
そう付け加えて電話が切れた。
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