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01.ねもぅといむ
「いむ、その時計って、ちゃんと動いてるの?」
いむが持つ不思議な懐中時計の文字盤を覗き込んで、ねもぅは尋ねた。
「当たり前でしょ。失礼ね」
「相変わらず、変な動きじゃん」
「しようがないでしょ。そう創ったんだから」
実際、この時計は不規則的だ。
一気に時間が詰まることもあるし、巻き戻されて増えることもある。
人間達が時を刻む時計とは全くの別物なのだ。
「いむ、あと何分?」
「……あと100秒よ」
「分で訊いてるのに、秒で答えてるし! まぁ、そこまで深刻ってことか」
「うん、過去最大にヤバイよね」
あと100秒で世界は滅びるのだから――。
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