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「お父さん…いくら会長の息子でも、そりゃあ無理ってもんでしょう。
女性に興味がないのは、さすがにきついわ。」
「……そうだよな。僕も最初はそう思った。
しかし、良く考えてみろ。
さっきも言った通り、おまえはその異常な面食いが直らない限り、結婚は出来ないだろう。」
お父さん…確か、それを言うのは今日二度目だよね。
しかも、同じことを美沙にも言われたし、ちょっと言いすぎじゃないですか!?
「でも、親としてはやはり結婚して欲しい。
年を取ってから、おまえが一人ぼっちで寂しくのたれ死んでいくのかと思うと、悲しいからな。」
あのね…結婚出来ないって思ってるのは単なるお父さんの予想だし、絶対そうなるってわけじゃない。
それに、一人で死んじゃうとしても、『野垂れ死に』っていうイメージはなぜなんだ!?
「夫ではなく、同居人と思えば良いんじゃないか?
会長の息子は、子会社の社長をしている。
家も当然持ち家だし、ペントハウスっていうのか?タワーマンションの最上階らしいぞ。
しかも、家政婦さん付きだ。
真面目で穏やかな性格らしいし、それに……イケメンだ。」
お父さんはそう言って、にやりと笑った。
イケメンだって言ったら、私がそんな訳ありのお見合いをすると思ってるんだね。
甘いよ…私はそんじょそこらの面食いじゃないからね。
ただ、不細工じゃないってだけでイケメンって呼ばれてるなんちゃってイケメンなんかに私の気持ちは動かないよ。
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