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実行
上司に退職願いを渡し
日頃から少しずつ
作成していた引継書を
同僚に渡した
鳩が豆鉄砲をくらったような目で
皆が見つめる中
「お世話になりました」
とだけ伝え
立ち去った
仕事に差し障りがない程度には
人付き合いはしていたが
必要以上に
深い付き合いはしていなかった
なので
辞めることは
誰にも打ち明けてはいなかった
まして
今日まで
辞める素振りはみせていない
今頃
騒がれているのだろう
多少罪悪感はあるが
でも
それ以上に
早く
人生の立て直しをしたかった
1日
1時間
1分
1秒
を
もう自分が無駄だと思うことには
使いたくなかった
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