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会社を出ると
モワっとした
熱風が体にまとう
ビルに反射した日光が
体に突き刺さる
一気に汗が吹き出した
数十年間
特に何も疑問を持たず
会社に通い
業績をあげることが
生き甲斐だと思っていた
それなりの役職も得た
それが自分にとって
良いことだと思っていた
去年の今頃も
熱風しか感じない
ビルの間を
汗をかきながら
歩き回っていた
風景は代わり映えがないはずだが
自分の気持ちが全く違う
すぐにこの場所から立ち去り
涼しく
ホッとできる場所へ行きたい
冷房が効いているカフェに
入ろうかと思ったが
何故だか
ふと
脳裏に人気のない海が
浮かんだ
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