16.ふたり

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── 「まとまった金が入ったから」 教室のいつものメンバー(そういえば最近、塔ヶ崎師匠は朝から来ている)の5人全員がきょとんとした顔で、誉田を見上げた。 (誉田はちょっとみんなより背が高い) 「出たよ、昂良。お前が言うと怪しいっての」 塔ヶ崎くんに言われて 「ああ、説明不足だな。せっかくだから6人で出掛けるのはどうかとリサーチした。今月末までのチケット買ったから、みんなで行こう」 「……昂良、それお礼のつもり?」 日野くんがニコニコしながら言う。おお、誉田の事わかってるって感じ。 「そうだよ。猫のこと、陽太にも撰にも協力してもらったから」 「いいのに、そんなの」 「だわ。お前変に気遣うよな。俺らにそんな金使わなくていいから、細川とどっか行ってこいよ」 「いや、清夏は清夏でそうする予定」 そうする予定をここで聞かされて、赤くなる私。 「何か私たちまで、悪いよ」 と、陽葵が聡子と顔を見合せた。 「いや、もうチケット買ったから」 「……じゃあ、遠慮なく。みんなで行こうか」 そう言って、みんなで予定を合わせた。 「……また合わねえんじゃね?」 「クジでペア決める?」 日野くんの冗談にクスクス笑う。 「あ、大丈夫そうよ」 今度は、6人の予定が合った。
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