1.ペア

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『そうか、熱心な部活なんだね』 そう返信が返ってきたので、いいぞとばかりに畳み掛ける。 『そうなの。そうなの。毎日部活で他の事なんて全然出来ないくらい』 忙しいアピール成功!そうほくそ笑む。ふふ、生き永らえたかな。 『じゃあ、夕方からにしようか』 ……夕方?から? 慌てて画面をスクロールして自分の送ったメッセージを確認した。 ……毎日毎日夕方までびっちり。 ……他の事なんて全然出来ないくらい。 つまり、夕方以降は何もしていない。って言ってしまっている。迂闊。 駟不及舌(しふきゅうぜつ)!! とか思っている場合じゃない。つか、言っただけなら何とか誤魔化せるけれど、文字になってるしなあ。 ああ、大して賢くなかった事が悔やまれる。 返信出来ずに既読だけをつけてしまった。 畳み掛けるのは私だけではなく…… 『早速だけど、明日の夕方校門のところで待ってるね』 人生で一度くらい“彼氏”という人がいる人生を経験してみたかった。 『はい、5時くらいでお願いします』 そう返信してため息を吐いた。 ……挙げ句、学校に行かなくてはならなくなった。 私は明日死ぬのでしょうか……。 私のあまり賢くもない頭ではあのキレ者に敵うわけもなく、逃げ切れる名案も思い付かない。 誉田(ほんだ)昂良(たから)何故(なにゆえ)女子に人気があって、何故あの二人と仲良しなのだろうか。塔ヶ崎くんは何かわからなくもないけれど、あんな太陽みたいな日野くんは、仲良くやっているのだろうか。
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