1.ペア

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「さすがに、それは厳しいから、肝試しでもする? ある意味死んだ人……」 「ぎゃあ、無理無理無理! 私、暗いとこ、お化け系いっちばんダメ!」 「……うーん、そっか。えっとじゃあ……細川の思い出から叶えようか」 そう言っていたずらっぽく、言わば“悪い顔”で笑った。 名前、呼び捨てに変わった。怖い。 いや、()る前に願い聞いてやるぜって事?だろうか。意外に慈悲深い。慈悲? そうか、私の頭の中で死期を延ばすが浮かんだ。 「私は……恋がしたい」 そうだ、これがしたいことであると同時に、とても難問であること。だから上手く行けばずーっと生き永らえる! 誉田は少し驚いた顔をして、うーんと考える素振り。 それから、サラリと 「もうしてるんじゃないの?」と優しい顔で笑った。 その顔に、こんな顔もするんだなーと思い、ついでにやっぱりイケメンだなと気付き、そのあとようやく誉田の言葉を理解し、胸がドキンとした。 それは誉田の笑顔が思ったより、アレだったからなのは認めよう。 それだけじゃなくて……誉田が『もうしてる』と言った恋の相手とは…… 「え、いや、違うよ。日野くんのことはね、真っ直ぐで可愛いなーって思ってただけで、恋とはとても……呼べるものじゃあ……」 はっ、言ってしまった。誉田を見ると、まだ優しく笑っていた。
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