628人が本棚に入れています
本棚に追加
なぜ?
それは教師の目から見ても、誉田昂良は憧れられるべき対象なのだろう。
と、隣に並ぶには似つかわしくない私。まあね、私が片思いしてるって考える方が自然だ。
だけど、残念ながら、どちらのパターンも不正解だ。
どっちもどっちに片思いもしてなけりゃ両思いでもないし
「いや、マジで、色恋関係ない。男女が二人でいたら色恋に繋げるの、いい加減ナンセンス」
「ふん、なるほど。だけどアレだねー、オリンピック周期くらいであのテのイケメン入学してくるわ」
「あー、そうなの? 4年に1回レベルのイケメンならそこまででもな……ってアキちゃん! 教師なってオリンピック1回しか経験してないっしょ? 」
「ん? そうだった、そうだった」
「適当だな~」
「希望だよ。それくらいのスパンでイケメン入学してきてくれたら頑張れる」
教師にあるまじき!
本気なのか冗談なのか。
saves the worldって独り言聞こえた気がするけど……はて?
リスニングは、苦手だ。
時計を確認すると、誉田との待ち合わせにはもう少し時間があった。
「何、まさか、今日も誉田きゅんと約束があるの?」
私の不審な顔に
「あ、噛んじゃった」ってアキちゃんは誤魔化したけど……今、絶対に『誉田きゅん』って呼んだ。
「何、アキちゃん、誉田きゅん推し?」
「いや、そんなことない、そんなことない、噛んだだけ」
必死なアキちゃんに……面倒臭そうだから掘り下げないことにした。
最初のコメントを投稿しよう!