2.クセモノ

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校門にもたれていた誉田が私に気づくと、少し笑う。 「そんなとこもたれたら、服汚れちゃうよ」 そう言って、誉田のグレーのTシャツ、その背中をはたいた。 「別に、汚れていい服しか着てない」 ふと、視線を感じた気がして部室の窓を見上げると、アキちゃんがひらひらと手のひらを振る。 私の顔を見て、誉田も視線を追う。アキちゃんに気づくと一礼した。 はあ、もれなく明日も何か言われるな。ガッカリする。 「……何でそんなガッカリしてんの?」 誉田が不思議そうに訊いてくる。 「ねえ、ここで待つの止めない? 」 「何で?」 「目立つし、それに……」 察したらしく、「ああ」と頷いたあと 「デキてるって勘違いされるのが嫌なんだ」 デキ……案外スラングだな。 「そうだよ、困る」 「そうか……じゃあ、勘違いじゃなければ良いわけだ」 ……意味不明! 「な、な、何それ」 グレーのTシャツを真夏に着て、汗滲み1つない誉田は涼しげに私の動揺をスルーして 「今日は、俺のと、細川のとどっちも少しづつ進めていこう」 そう言うと、先ずは……と、スマホを取り出すと早口で喋り出した。 「敬称略。サッカー部キャプテン諏訪。バスケ部福沢、テニス部は加賀と林、吹奏楽部入江、……………」 と、この辺りから聞き取れなかったけれど名前を挙げていく。 何のリストだろ……まさか……死体にするリストじゃないよね!? か、片棒を担がされるのでは……!?
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