2.クセモノ

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……何?凍死……え? 「あっははは!」 誉田はまた笑いだした。 「……え? 何?」 「細川さあ、俺にビビり過ぎ。ずっと警戒してんの。なのにさ、俺の運んだ飲み物平気で口付けるし、毒でも入ってたらどうすんの?」 「……え、だってあんな人前で毒殺なんてしないでしょう?」 「薬なんて、すぐ効くかわからないよね」 「あ、ほ、本当だ」 あれに薬が入ってたら…… 「はは! やっぱ、俺が殺すと思ってたんだ? 警戒するくせに、油断しすぎ。一応ね、大丈夫だって意味で一口貰ったんだけどね」 「……ああ! でもソフトクリームだった。ソーダに入ってたとしたら?」 「……いや、入れてないし。単にソフトクリーム美味しそうだったから貰っただけだし」 「ご、ごめん。だって、死体見たいとか言うから……」 いや、それより一口あげて一口貰うシーンが思い出されて、唇に目が行って、さっと逸らした。 「うーん、ちょっと言い方悪かったかな。死体見たいわけじゃあ、ないよ。ソフトクリーム、美味しかったね」 ちょっと意味深にそう言われ、ぐいっと私に顔を近づけてくる。 ふっ、と笑うと 「行こうか」そう言って、またごく自然に私を歩道の方へと促してくれる。 「大丈夫、怖くない」パッと両手を上げて、笑って見せた。 「うん」 その『大丈夫』を少し信じられるような、そんな笑顔だった。
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