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「俺は、人が死んだらどうなるか知りたい」
一瞬にして、その場が凍りついた。
は?は?はぁ!?何て!?
「……これ、フラグじゃねえ? 」塔ヶ崎くんがそれっぽく言う。
「数日後、この中の誰かが変死体でみつかるのよね」聡子もそれに合わせて低い声で言った。
「え、ヤダヤダヤダ! 俺、このささくれビーッてなったとこさえ見れないのに、怖い怖い怖い! 人なんて切り刻めないよお」
日野くんが怖がった振りして陽葵に泣きつく。こうやって日野くんが笑いに変えてくれたお陰で、場の空気が和らいだ。
「……犯人、お前じゃないか」
「何気にエグい」
塔ヶ崎くんと聡子がそう言って笑う。
ほんと、日野くんはこういうのすごく上手い。天才!
「俺んち、長寿の家系だから、誰かが死ぬとか経験したことないんだよ」
「あー、なるほど。死体というより、ご遺体の方ね」
「そ、でもまあいつか見なきゃならないんだろうな」
いやいや、死体だろうがご遺体だろうが見ないに越したことないよね。何言ってんの。
「だな。さ、冗談はさておき、せっかくだからこの6人で思い出つくろうぜ」
日野くんがそう言って、冗談として適切に処理をした。敏腕!
てか、マジ?みんな何でこんな変わった男と友達してんの?信じられない。
とにかく、6人で夏を満喫する方向で話は進んだ。
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