1.ペア

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ところが、だ。 6人の予定が全く合わないときたもんだ。 そこを日野くんがうまくまとめてくれた。 「男女ペアで。男子と女子は求めるものが違うだろ? それでもどちらも満足するように協力する。それでどのペアが一番夏を楽しんだか、新学期に発表しようぜ」 「いいな」 直ぐに誉田くんが同意したせいで、反対意見を出せなかった。もう男女別でいいけど。この3人の男子相手に『恋がしたい』なんて言えるわけないのだから。 「ペアはどうやって決めるの?」 「クジ!」 日野くんが手際よくその場でクジを用意してくれた。 「レディーファーストで」と、私たちにその紙を渡してくる。 「や、やだよ、男子から!」 って陽葵が言ったら、すぐに誉田くんが折られた紙を一つ手に取った。何だよ、こいつ……ノリノリかよ。 続いて塔ヶ崎くんが一つ、残ったのを日野くんが取った。 ……誉田じゃなければいいや。 もう心の中ではすっかり呼び捨てだった。 クジを開くと『1』 透けて見える誉田の手元の紙も、まさかの……『1』 おわ、終わった。人生終わった……と思った瞬間、私の手元の紙は陽葵に回収されていた。 そして机の上にその開いたクジを並べると、陽葵は 「私、1だった~!」と、言ったのだ。 「私は3」と、聡子。 「……えーっと……私は……2」最後にそう言った。
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