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ところが、だ。
6人の予定が全く合わないときたもんだ。
そこを日野くんがうまくまとめてくれた。
「男女ペアで。男子と女子は求めるものが違うだろ? それでもどちらも満足するように協力する。それでどのペアが一番夏を楽しんだか、新学期に発表しようぜ」
「いいな」
直ぐに誉田くんが同意したせいで、反対意見を出せなかった。もう男女別でいいけど。この3人の男子相手に『恋がしたい』なんて言えるわけないのだから。
「ペアはどうやって決めるの?」
「クジ!」
日野くんが手際よくその場でクジを用意してくれた。
「レディーファーストで」と、私たちにその紙を渡してくる。
「や、やだよ、男子から!」
って陽葵が言ったら、すぐに誉田くんが折られた紙を一つ手に取った。何だよ、こいつ……ノリノリかよ。
続いて塔ヶ崎くんが一つ、残ったのを日野くんが取った。
……誉田じゃなければいいや。
もう心の中ではすっかり呼び捨てだった。
クジを開くと『1』
透けて見える誉田の手元の紙も、まさかの……『1』
おわ、終わった。人生終わった……と思った瞬間、私の手元の紙は陽葵に回収されていた。
そして机の上にその開いたクジを並べると、陽葵は
「私、1だった~!」と、言ったのだ。
「私は3」と、聡子。
「……えーっと……私は……2」最後にそう言った。
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