ランプ―タン

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ランプ―タン

 表紙を飾った写真は、ウニのようでウニではない。でも、それを店で見つけた時、かなり興奮した。 「キャアアアア、なに、それっ」って。  それを並べている中国系の店員に訊いてみた。 「メキシコのフルーツだよ。甘い」とのこと。 赤黒く、周りには棘のようなものが出ているし。でも、棘のように固くないし、痛くない。 その色と形から、連想したのは楊貴妃が愛したという果実で有名なライチ。好奇心旺盛な私はさっそく買ってみた。  外側のカラはライチよりも固め。それでも指でむけた。中は本当にライチと同じ白い果肉。その味も同じかな。  けど、種は違った。白い皮で覆われていて、その皮をうまくとらないと渋みがある。ライチはツルンとした光沢のあるツルンとしたこげ茶の種だった。 同じような果実でもその育った国、環境が違うとこうなるのかな、なんて思ったりもした。  私達と同じだね。   キャッシャーっていち早く新しいモノ、発見できる。
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