お祭り、屋台

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お祭り、屋台

 夏になると家族でお祭りに行った。  いつも見慣れた景色も屋台が出ており、どこも美味しそうな香り漂い、鼻をくすぐった。  たこ焼きに焼きそば、イカ焼きにとうもろこし。  キャラクターの袋が可愛らしいわたあめや、色とりどりのかき氷、ジュースにラムネ売り。  ヨーヨー釣りや金魚すくい、射的やお面売り。  たくさんの賑やかな屋台は、胸が躍る。  大きなわたあめを私は夢中になって食べて、手がべたべたした。  たこ焼きや焼きそばを食べるとよく、口周りを青のりだらけにしていた。  私はたぶん落ち着きない、せわしない子どもだったんだろう。  私は毎年お祭りのたびに金魚すくいをして、何匹か釣った金魚を小さなビニールの袋に入れて持ち帰った。  赤や橙、黒などの色の小さな金魚たちは、ゆらゆら、ひらひら小さな袋の中を漂っていた。  金魚たちはすぐ水槽に移され、広い水槽の中、金魚たちは満足そうにスイスイ泳いでいた。  きれいな色の体をくねくねさせながら。  だけどどうしてだろう。  屋台ですくった金魚たちは、早くに亡くなってしまった。  金魚が亡くなるたび、私は母や弟と、庭に穴を掘って埋めた。
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