五分間の願いを。

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「・・・・さん、」 「青木さん、」 彼の声にはっとした。 「大丈夫ですか?何かありました?」 「ちょっと考え事していて。」 「そうなんですか。そう言えば最近少し痩せられましたよね。」 「そうなんです、仕事とか色々、ストレス?とかね。」 「あんまり無理しないで下さいね。皆心配しますから。」 眉尻を下げ目を少しうるうるさせながらそう言った。彼はいつも心のこもった本当の言葉で私を心配してくれる。そんな真摯な態度で居てくれる彼に仕事やらのストレスでなんていう口実を口走ってしまった。 そんな私は不誠実の何ものでもない。ひどく彼に謝りたい気持ちになった。 「今、車回して来ますんで。」 「はい。いつもありがとう御座います。」 前に一度たまたま家迄の通り道だからと彼の帰宅する車に乗せてもらった事がきっかけで、毎回の様に送ってくれるようになった。
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