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デーモンの旅立ち
地球から遠く離れた遥か彼方の銀河系。
そこにはたくさんの惑星がある。トカゲ型宇宙人が住んでいる星や、地表全体がマグマになっている星も。
そんな惑星の中でも、奇怪な見た目が目立つ星。その名も≪スゴイ・サタン・カッコイイ星≫。
地球に三叉の槍が突き刺さったような外見をしているその星には死神、サタン、デビル、デーモンなどが住んでいる。
一般的に、悪さをする系の生き物が住んでいる。地球の呼び方では「悪魔」である。
当然ではあるが、この星にモラルはない。商売人は客に粗悪品を売り付ける。客だって、負けじと代金を誤魔化したりする。そんな行いがそこらじゅうで日常茶飯事に行われている。
しかし、その星に住む≪デーモン・ヤメタ・カッター≫は違った。
漆黒でがっしりとした体格。2メートルはありそうな体躯だ。2本の角を生やし、イナズマ形の尻尾を振り回しているその姿は、まさに悪魔そのものだ。
見るからに屈強な悪魔であるデーモンだが、彼は天使になりたいと思っていた。
突飛な発想である。なぜ彼は天使になりたいのか?
理由の一つに、周りが悪さばかりしていることに辟易していたことがあげられた。本当に腹を立てていた。
ただ、自分の故郷でもあるわけだから、悪魔を滅ぼしたいとまで思っていなかった。
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