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デーモンは試験管の扉を蹴破って外へ出た。
「ふぅ…。なんとか無事だな。」
ものすごい衝撃がデーモンを襲ったはずだが、傷ひとつない。流石は悪魔!
しかし、必ずしも無事とはいえない状況が、デーモンの周りに広がっていた。
「うわ…。なんじゃこりゃ。」
デーモンの周りには多数の天使が。おそらく軍隊だろう。銃のような形をした武器を持っている。でも天使だからなんか可愛い。
「その姿…。お前は悪魔だな?」
軍隊の一人が言った。
「そうだ。悪魔だ。今はな…。」
デーモンは周りを見渡して言った。
「俺は天使になりたくてこの星に来た。決してお前達と争う気はない。」
軍隊にざわめきの渦が起こる。しかし、最初にデーモンに問いかけた兵隊が言う。
「まさか…。そんなこと信じられるか!悪魔の言うことなんて。何が狙いだ!」
「確かに信じられんだろうな。だが俺の言葉に偽りはない。」
デーモンの言葉にさらに何か言い返そうとした兵隊を一人の年配兵士が制止する。
「た、隊長?」
どうやらこの軍隊の隊長のようだ。
「まぁいい。何か危害を加えてきた訳でもない。だが、やはり!お前の話を頭から信じる訳にはいかない。」
「だろうな?ではどうする?」
「とにかく、一度…。そうだな。この星を統括している王国に来てもらおうか?そこで、幹部達の意見を聞く。」
「・・・・・」
(どうする?信じていいか?こいつらどうも胡散臭い。)
「返答がないな…。なら了承したと受けとるぞ。では、引っ捕らえろ。おっと、言い方が悪いな。捕獲しろ!ただしなるべく丁寧に。ひょっとしたら本当に天使になりたいのかもしれん。なら、下手に危害を加えるのも可哀想だ。」
(うーん。もし捕まって死刑にでもなったら…。いや、相手は天使だろ!悪いようにはされないだろう。いや、でもその幹部とか言うのが変な奴だったら…。)
(ここは逃げるか?いや、周りをすっかり囲まれている。逃げられん。)
(正当防衛になるだろう?)
何を思ったのか。デーモンは手から光線を放った。兵隊の一人が吹っ飛んだ!
「あっ!攻撃してきた。やっぱアカンわ。捕まえろ」
なぜ攻撃してしまったのだデーモン君。
(アカン多勢に無勢だ。敵わんわ。)
やがて捕まる。結構早い段階で捕まる。
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