9人が本棚に入れています
本棚に追加
「裁判まで大人しくしていろよ」
看守が告げた。
(どうする…。)
アホの悪魔が牢屋に入れられた。
ここは王国の牢屋。裁判を控えた罪人が入れられる。もっとも長年、この星に罪人など現れていないので、実は久しぶりにその機能を果たしている。
「裁判まで大人しくしていろよ」
(うるせぇよ)
久し振りの仕事が嬉しいのか同じセリフを二度も言う看守。
(魔力を封じられているし、どうにもならん。裁判で喋る話でも考えておこう。)
デーモンには手錠が嵌められている。その手錠にはどうやら魔力を封じる力があるようだ。
試しに魔術を出そうとしたが、出せなかった。
看守が立ち去った後でデーモンは物思いに耽っていた。
(しかし、納得がいかん。なぜ天使になりたい俺がこんな目に遭わなければならんのだ。)
天使を攻撃したからだよ。
そうして時間は過ぎていった…。
最初のコメントを投稿しよう!