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デーモンは宇宙管制局で働いている友達を訪ねた。
その友達悪魔は≪サリゲナク・ナンタラ・カンタラ≫。デーモンとは幼い頃からの友達だ。
サリゲナクの家へやって来たデーモン。
サリゲナクは今日、非番の筈だ。きっと家でくつろいでいるだろう。
家の前でデーモンはサリゲナクの名前を呼ぶ。すると、サリゲナクが扉を開けて外に出てきた。
「よぉ! サリゲナク!」
「やぁ! デーモン!」
デーモンよりはやや背は低いがそれでも180センチはある。体の色はデーモンと異なり紫。
「今日は何のようだ?」
「実は、俺、天使の星に行きたいんだ。そのために宇宙船が必要なんだ。お前の力でなんとかならないか?」
サリゲナクは顔をしかめた。
「いや無理だって。何を言っているんだお前は。バカか?」
管制局には宇宙船がたくさんある。そこで働いているサリゲナクなら、宇宙船の鍵をこっそり持ち出すことぐらいは可能だ。悪魔の目を潜んでこっそり宇宙船を拝借するぐらい可能だろうと思ったが……。
(やはりダメか。リスクが大きすぎるからな)
(つーか言い過ぎだろこの野郎)
「やっぱりか……」
(どうしようか……。早くも天使になる夢がついえてしまった)
こうしてデーモンの天使になるための旅は終わった……。
デーモン・ヤメタ・カッター『完』
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