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「建宮君。ひょっとして車をお探しか?」
首を傾げる建宮に話しかけてきたのは、アパートの管理人の爺さんだ。
「あぁ。管理人さん。おはようございます。そうなんすよ。何か知りませんか?」
「いやぁ…。あの車は…。粗大ごみの回収業者が持ってっちゃったよ!」
「えっ?な、なんで…。」
「なんでって…。粗大ごみだから…。」
「粗大ごみじゃねぇわ!」
「ねぇわ!」
「大体よぉ…粗大ごみの捨て場はあっちだろ!ここは俺の駐車場!OK?」
「OK!」
「OK!」
「じゃあなんで持ってっちゃったかな?俺の車を。」
「あの人達、粗大ごみと認識すると、構わず全部持ってっちゃうのよ!」
「なにそれ怖い。」
「怖い。」
「もう目が輝いてたからね。あれを止めるのはワシには無理だ。」
「はぁ、そうですか………。にしても、車を持っていくのは大変だろうに…。」
「こいつは気合いを入なきゃなとか言って頑張ってたよ。」
「気合い入れちゃったかぁ…。」
「入れちゃったかぁ…。」
「さっきからうるせぇよ!デーモン!」
「よ!」
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