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建宮の意識は、次第に現世から遠ざかっていく…。
そんな建宮の脳裏には、不思議なことに昔の思い出が描き出されていた。
(これが走馬灯ってやつなのか…?)
幼き建宮少年に優しく声を掛ける女性…。
『太郎!エサはよく噛んで食べるのよ!』
(俺の名前は太郎じゃない…。)
思春期の建宮少年に、恋愛講義を行う髭面のおっさん…。
『太郎!男は当たって碎けろだ!砕けてしまえ!お前なんか!』
(だから俺は太郎じゃない!)
社会人3年目の建宮青年に優しく微笑む乙女…。
「太郎君……。あなたと付き合うのは無理!へへっ(笑)」
(なんでみんなして俺のことを太郎って呼ぶんだよ?)
「おい、太郎。助けに来てやったぞ!」
建宮「お前のせいか!デーモン!」
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