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「べふらっ!」
デーモンは地面に着地すると同時に、建宮を放り投げた。
「建宮さん♪お久し振りです♪」
今朝まで同じ部屋で過ごしていた天使のさえずりに、建宮の気持ちは少しだけ和らいだ。
(はぁ…。助かったんだな…俺。)
「くくく…。これで善行ポイントが入る…。くくく…。」
本当にこんな奴でも天使になれるのだろうか?
「そうだ、あいつらは?」
「あいつら?」
「ミカエル!君が助けた二人の男…。」
「あっ!その人達なら、そこでお昼寝中ですよ!」
ミカエルは笑顔で、建宮の背後に目をやる。
ミカエルの視線を追うように、建宮は後ろを振り返った…。
息子と消防隊員が気持ち良さそうに寝ている。
(ちくしょう…。心配していたのに…随分くつろいでいやがる…。)
「しかし、また随分と派手にやったな!」
「な、なにがだ?」
「太郎ではない。ミカエルに言ったんだ!」
「魔法で眠ってもらっただけですよ。」
「魔法?眠って?どういう…。!?」
建宮は今更気付いた。
眠っているのは息子と消防隊員だけではない…。
周囲の人間が、一人残らず熟睡している。
「いやぁ疲れました…。でもまだ仕事が残っているんですよね…。はぁ…。」
「流石は天使だな。俺も早くなりたいものだ。ははははは!」
(怖い)
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