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「じゃあ、もう帰るか?疲れたんだろ?ミカエル。」
「はい。もうクタクタで…。早く眠りたいです。」
建「よし。じゃあ俺のアパートへ行こうか。…。徒歩だと大分かかるけどな…。」
「歩くのか?面倒だ。飛ぶぞ!」
「人に見られたらどうすんだよ?なぁ、ミカエル?」
「飛んでいきましょう。もうしんどい。帰りたい。」
「………。」
「というわけだ。じゃあ太郎。俺に掴まれ!」
「お前なぁ…。太郎太郎って…。俺の名前は太郎じゃないんだよ!」
太郎は…。いや、建宮はデーモンの背中におぶさりながら言った。
「あぁ?じゃあなんだ?教えろ!」
「俺の名前は建宮次郎だ。覚えておけ!」
「太郎も次郎もそんなに変わらんではないか。」
「大違いだこの野郎!」
「ふふふ。さぁ帰りましょう。デーモンさん。私も乗せてください。」
ミカエルはデーモンの前に立つ。
「仕方のないやつだ。」
デーモンはミカエルを抱えた。
「よし、行くぞ。振り落とされるなよ。」
「ゆ、ゆっくり飛べよ。俺はお前達と違って、デリケートなんだから…。」
「知るか。じゃあ飛ぶぞ。せーの…。ジャーーーー………。」
デーモンは腕を空に伸ばしたまま硬直した。
「な、なんだ。どうしたデーモン?」
「太郎…。頼みがある…。」
「言ってるそばから間違えとるな、人の名を…。んで、なんだよ?頼みって。」
「その………。プリンと饅頭が食べたい…。」
デーモンが乙女のように両指を突き合わせながらいった…。
「ぷっ…。」
ミカエルは思わず吹き出した。
「そんなことかよ…。わかったわかった。じゃあ、俺のアパート近くのコンビニに寄ろう。」
「ふはははは!わかった。」
悪魔のような笑みを浮かべデーモンは膝を曲げた。
「ぶは…。」
デーモンは夕焼けの空に向けて飛び上がった…。
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