9人が本棚に入れています
本棚に追加
デーモンのラブレター大作戦♥️
地球から遠く離れた遥か彼方の銀河系。
多数の悪魔が生息する星。≪スゴイ・サタン・カッコイイ星≫。
宇宙管制局で働く≪サリゲナク・ナンタラ・カンタラ≫は、友悪魔の≪ボンレス・バムバム≫と、森の中を歩いていた。
「…ってわけで。デーモンの奴は天使の星に向かったんだよ。おかしいだろ?あいつ。」
「うん。」
「だけど、友の俺としては、デーモンのことが心配なわけだよ。」
「ふーん。で、博士の所に行って、デーモンのその後を調べようってのか。」
「あぁ。……。あっ、あれが博士の家だ。」
博士の家を視界に入れたサリゲナクは、ボンレスの肩を叩きながら言った。
「……ああ、もうじれったいや。」
デーモンの足取りが気になるサリゲナク。
駆け足になりながら博士に向けて叫んだ。
「おーい。博士!サリゲナクだよー!」
サリゲナクの声が森の中に響いてから間もなく、博士が玄関の扉を開けながら言った。
「おう!来たかサリゲナク!準備は万端じゃ!」
博士は水晶玉のような物を手に取りながら、家の横にある切り株へと腰を下ろす。
サリゲナクは、すぐさま博士の横に中腰になり水晶玉を覗き込む。
少し遅れてボンレスも巨体を揺らしながらサリゲナクとは反対方向に行き、博士の横に立つ。
「さぁて……。デーモンはどうなってんのかな?この玉に天使の星が映るのか?」
「そうじゃ!バッチリ映るぞ。っていうかもう映っとるぞ!」
「うん。映ってる。天使が沢山映ってる。」
「本当だ……。へぇ…。いろんな姿の天使がいるんだな。」
「デーモン……。」
「そうだそうだ。天使はどうでもいいや。博士、デーモンは?」
「……。どうやらデーモンはこの星にはいないようじゃ。」
「えっ?どういうことだよ?」
「これを見てみろ……。」
博士が指を差したのは、荘厳なお城の外壁に下げられた垂れ幕。
そこに書かれていたものは……。
「悪魔が天使を連れて星を出た……。」
「天使を……。誘拐したのか?デーモンの奴。」
「それは分からん。だがデーモンの居場所を突き止めれば真実は明らかになるじゃろう!」
「分かるのか?博士!」
「時間は掛かるが……。調べてみよう。」
「すごい!博士。」
「頼んだぜ!博士。」
(デーモン……。お前は何をやってんだ?)
最初のコメントを投稿しよう!