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「だからむやみに人員が増やせないんですよ。如月さんは……一度こちらを訪れたことがあるから、黄泉戸喫の影響が出にくいのかもしれません。影響が出る前に浄化を」
「なんでそんな、え……みんなそうなんですか?」
盃を放り投げ、両手を空けた国刺当主が身を乗り出してくる。
「九泉はな、おまえみたいなのを集めてるんだ」
「私……みたいなの、ですか?」
「薬の扱いに便利なんだ、半死人は。人間より鼻がきき、人間より冥府の毒に強い。こっちの薬を扱わせるのに有用だ。儂のように薬に飲まれないからな、使いものにならなくなるまで働かせる」
「如月さん、ごりょうさんはわざわざ脅かすようにいってますからね。使いものにならなくなるまで、ってそんな……労働条件が整う以前の、大昔の話ですから。昔は冥府から蘇生した方に、薬の精製をお願いしていたんです。いまは冥府の薬は冥府の方が携わっています、いくへ町の屋敷の奥に通ってきてもらってるんです」
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