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話にもならないのか。断絶を宣言された百合が困って八咫たちに視線を投げると、そのうちの清巳が首を振った。
「如月さん、浄化だけは引けません。社内や冥府で黄泉戸喫が作用したなら、なんとか手段を講じることができるかもしれない。ですが如月さんがひとりのときや外出したときになにか起きれば……手が打てない」
「そんな事態になるんですか?」
「……最悪、周囲にどんな被害が起こるかも」
体調を崩すなどの、自分個人にかかわる問題だと思っていたが――それどころではないようだった。
「なんだ小娘、おまえは自覚もなしにのこのこ出てきていたか」
――どうなってしまうのか。
返答は目の合った八咫がくれた。
「ひらか町を通るあやかしたちが避けることだ――正しい冥府の道から外れれば、正気を失って暴れることがある」
「私もそうなる……?」
「……正気を失おうが失うまいが、冥府の道を外れれば、暴れた挙げ句に塵となって消えるだろうな」
それは道の外で発症したら、おしまいということではないか。
「き、消えるんですか私……!」
八咫の目が伏せられる。
自動販売機ののんびり駄菓子を食べはじめたころから、百合にはずっとその危険がつきまとっていたらしい。
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