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座敷を後にしたとき同様、畳の上に清巳の白い身体が横たわっている。
横たわっているが――いうなればそれは抜け殻だった。清巳に似せた、渇いたつくりもののように見える。
「だ、誰ですか……そのひと……どうしよう、清巳さんそっくり……」
「ああ、如月さんごめんね、こんなにはやく生まれ直すことになると思ってなくて……びっくりしたよね、ごめんね」
美少年が清巳とおなじ口調で話す。
「時期がはやくなっただけなんですよ。一応予定はしてまして、来年には私は消えて、べつの戸籍になる予定だったので」
「なにをいってるのか、よくわかりません!」
身体の調子はすこぶるつきによくなっているのに、百合の頭のなかが混乱している。
「ここにくる前、オフィスで話してたけど覚えてますか、休みに入るので思い残すことは、って」
「ああ、そんなことをおっしゃってましたが」
「仕事もあるていど片づけたら、生まれ直して身体を新調する予定だったんです。まあ表向きは事故死かなにかになりますが」
百合はまた頭を抱える。
「……それ、わりと世間ではあたり前のことだったりしますか? 私が知らなかっただけで」
「いやぁ、うち以外で聞かないよねぇ」
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