それはまるで初恋のように

1/1
前へ
/1ページ
次へ

それはまるで初恋のように

8月の海で、僕は初めて君に出会った。 透き通るような柔肌となまめかしいボディライン。 触れることは許されないと僕の本能が警告する。 なのに、君の方から近づいてきた。 波のせいにするのかい?それともわざと? 永遠とも思える刹那。君が僕に触れる。電流が走ったように痺れる体。君に触れられた頬が熱を帯びる。鼓動が脈打ち、胸が高鳴る。僕はもう息も絶え絶え、ノックアウト寸前。 ああ、これが世にいう… 砂浜に横たえられ、応急処置を施されたらしい僕。ライフセーバーが電話で救急車を呼んでいる声がかすかに聞こえる。 「刺された部位の炎症、心悸亢進、呼吸困難、クラゲに刺されたようですね。」
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加