『ある 小説家の 話』

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『ある 小説家の 話』

今回は、ご視聴ありがとうございます。もふりです。 今日は、夏ということで、私が友人から聞いた奇妙なお話を綴ろうと思います。 怪談話・・・というよりかは、「奇妙な話」です。 友人は、私と同じように あるサイトで小説投稿をしているのですが、最近そのサイトで、あるアイコンが話題になっているそうです。 どんな名前?と聞くと、友人は   「それがさ・・・名前が無いんだよ」と言いました。 何でも、 『    』 という感じで、本来名前を入れる所が空白になっていて、かぎかっこで括られているそうなのです。 「普通、ライターネームってあるじゃん。サイト内のニックネームみたいな。図形とか、イラストとかでライターネームにしてるのは分かるんだけど・・・それが全くないんだよね。その人の自由だから、別に良いんだけどさ。」 友人は、私達が執筆活動をする際に使う名前を「ライターネーム」と呼んでいます。 別に良いなら そんなに話題にすることなのかな・・・?私は疑問に思って、その旨を友人に伝えました。 すると友人は、話を続けました。 「いや、そうなんだけどさ・・・なんかおかしいんだよ。」 おかしい・・・? 「その人、作品書いてたんだけどさ・・・その内容が、最初とだんだん雰囲気が変わってきてさ。」 どんな感じに? 「なんか・・・こう・・・怖いというか・・・不気味というか・・・とにかくおかしくなってって・・・途中で怖くなって、読むのやめちゃったんだよね・・・。」 なるほど・・・ 「でさ、意味深なつぶやき残して、作品が更新されなくなっちゃったんだよ。」 意味深なつぶやき?どんな? 「『続きを書いて』  たったこれだけ。 まぁ・・・事情は人それぞれだからさ、こちらが介入してどうこうっていうわけじゃないんだけど・・・」 友人は、言葉を濁すように言いました。 『続きを書いて』 その一言が、私の脳裏になぜか残りました。
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