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「よく吠えるの?」
泉はテーブルの椅子に腰かけて黒瀬に尋ねると、黒瀬は「知らない人が近くにいると時々ね」と返し、冷蔵庫を開けた。
「何か飲む?」
「正直言うと喉乾いてた」
「だよね。あんなに歩き回ったし」
黒瀬は冷蔵庫を開けて緑茶のペットボトルを取り出し、コップに注いだ。コップを受け取った泉は礼を言って乾いた喉を潤していく。
「そういえばさっき『友達が』とか言ってたけど、こっちでも仲いい友達できたんだ」
「うん。お陰様でね」
黒瀬は泉と向き合う形でテーブルの椅子に腰かけてコップを口元に当てた。
「じゃあ、彼女は?」
「ぷっ!」
泉の一言に思わず黒瀬は吹き出した。まだ緑茶を飲む前だったため、零すことは何とか免れたが、けほけほと大きく咳込んだ。
「だ、大丈夫か?」
「うん……大丈夫……」
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