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________________in E 国
午前1時。
窓の外は真っ暗だというのに、自分のいる空間は何なのだろうか。
目の前には、パソコン。周りには、クマを作った今にも倒れそうな同僚たち。そして、完全に目の座った上司。
画面の見過ぎと圧倒的睡眠不足で頭が痛い。
しかしながら、仮眠室に行こうと席を立つものなら、この部屋にいる全員の睨みが飛んでくる。
「お前だけ休むつもりか」と。
今にも死にそうな顔をしているくせに、誰も休もうとしない。いや、休めないのだ。
そんな緊迫した空気を壊すように、誰がつけたのかも分からないテレビの声が響く。
この組織に入って早3年。昇格した喜びを噛み締める間も無く、仕事に明け暮れている。
この仕事は、警察官は、こんな大変な仕事だったのかと後悔してももう遅かった。
すっきりしない頭の中で、ふと思う。この前の撮り逃してしまったテロ組織どうなったのだろうかなんて。
‘’ただ今速報が入りました。日本の本日開園を迎えた遊園地で、テロが発生しました。
偶然居合わせたという、日本のテレビ局から一部、こんな映像が報道されていたそうです。
なお、園内部の人々の安否確認は出来ておらず、特殊部隊の突入も現段階では未定との事です‘’
「「「・・・・・・はぁあああ!?」」」
冴えない頭も一気に目が覚め、イラつき半分誰もがテレビにつかみかかった。
「テロだって!?」
「なあ、カール。お前最近、テロ組織潰し損ねたとか言ってなかった?」
「え、、まさか、、」
「ありえない、ありえない、、、、」
「待てよ、、?今日開園って言った?
なあ、、皇太子がお忍びで行くとか、、情報入ってなかったっけ?」
「んな、まさか」
「「「・・・・」」」
Prrrrrr、、
prrrrrr、、「、、クラーク長官鳴ってますけど」
シーンと静まり返った後、軽快な電話音が鳴り響いた。音の出所は、氷の上司と恐れられる「クラーク長官」。
まるで人一人殺してきたのかと見間違えるほどの、鋭い視線に、室内の気温が10度ほど下がったような気がする。
「はい、私だ」
「その件は、テレビで報道されていた。お前は今そこにいるんだな?」
「彼もいるのか。では対処は任せる。こちらから、カールとリボルトを送ろう」
「は?」「え、俺?」
「アレン、しくじるなよ。あの子にも、怪我をさせるな」
「そういうわけだ、そこの二人日本に向かえ。後は一時休憩だ」
そう言い残した後、真っ直ぐ外へ出て行った。
「カール頑張れよ、俺たちの分まで」
「感謝してるよ」「尊い犠牲だったな」「無事に帰ってきたら、俺のファイルやるから頑張れ」
「お前、俺に仕事押し付ける気か!?後、死んでねーよ」
ポンっ。
「カール、逝くか」
「リボルト、、、、、お前一人で行けよ」
「ここで、殺してやろうか?」ニッコリ
まだまだ、俺の夜は長いようだ。
緊急便に乗った後、俺は静かに涙をこぼした。
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