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ラッキーなことに周りに人の気配は感じない。
風紀委員も上手く撒けたようだ
常識はずれ、いや頭おかしいとか思われるかもしれないが、俺は人の記憶を消すことができる。人にもよるけど
その点こいつは、アホだし馬鹿だしなんの問題もなくいけそう
掴んでいる手を強引に外し、俺はマリモと向かい合った。
あ、ちなみに掴んでたのは右手だ。この鬼ごっこは鬼と逃げる側がつけている
バンドが触れることによって捕まえたかどうかがわかる。
こいつとペアとか死んでも嫌だから。
マリモがバンドをつけている手は左手。きっとこいつは誰を捕まえるとか
考えてもなさそうだから、そこまで注意する必要もない
馬鹿ってすごいよね、馬鹿って
さて、人が来ないうちにパッパとやってしまおう。
こいつがまた騒ぎ出す前にも
マリモの目の前に立った俺は
ポケットから五円玉のぶら下がった糸を取り出した。
「??それなんだ?」
「五円玉です」
「なんに使うんだ?」
「宮原くんこれをじっと見ていてくださいね」
「?わかったぞ、」
「あなたは`モブ`を知らない。あなたはガチムチもチワワも知らない
あなたは先程のことを全て忘れる。あなたはアホである。
あなたは………… 」
言いながら、俺は五円玉を揺らした。
こんなの効くわけないって思うだろ?
効果すごいからな。
ほんと日本ってこんな色々便利なものがあるからすごいと思う。
その証拠にほら、
さっきまで喋り続けていたやつがもう黙ってる
仕上げに、虚ろな目で空気中を眺めているこいつの目の前で
パンっと手を叩く。
そしてダッシュ、こいつが完璧に目を覚ます前に
丁度よく、あいつが近づいてきてるから大丈夫だろう。
これで一件落着だな。
良かった、良かった
さあ、理事長室に戻るか
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