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~ モブside ~
その人達は突然現れた。
見事な金髪の甘いマスクの彼。
店内のお嬢様方が一斉に色めき立った。
頬を赤く染め、ヒソヒソと話す彼女達はまるで純粋な乙女よう、、と言いたいところだが
かくゆう私もその1人だったりする。
で、次が問題だ。
彼の後に続き、入って来たのは何と言っていいのだろうか。
全身黒の顔も見えない男。不審者をも越す人、と言うより事件現場に居たら真っ先に疑われそう。
(特に某アニメの小くなってしまった男の子とかに)
何とも対照的な2人組に目も剥いたのは私だけじゃないし。
妙な沈黙が辛くて周りに目をやると、店員さん達が何やらアイコンタクトをかわしていた。
そうだよね。怪しいもんね、
あ、あのひと負けた。
声をかけに行く事になったのは、どう見ても一番若そうな男性。きっと先輩達の圧に負けたんだろう。
この場で一番可哀想なのは彼だと思う。
うんうん、わかるよ。先輩なんてクソだよね。がんばれ、
恐る恐る近づく彼を応援しながら見送った。
向かうは、店の一角。こんな場面でも普通に談笑している精神力お化けの二人組。
あ。声かけた。
「あの、お客様」
「あ、店員さん?こいつの事でしょー?雰囲気悪くしてごめんね。」
あれ、案外話分かってるなこのイケメン。
「え、、はい、、いいえ?」
ポンポンと進む会話に、店員さんの方も驚いたのか、吃っている。
「お前もそろそろフード取ったらどう?怪しすぎるって」
金髪さん、ひたすら無言のお仲間に声をかけたけど、何の反応もなしか、、?
いや、手が動いてる。
そして、頭に手をかけた。
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