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「そろそろフード外せば」
なんて、普段は言わないくせに。
張り詰めた空間の中、一方的なアレンの話をただ頷いて聞いていた。
買い物もせずにただ喋るだけ。
近づいて来た店員に対しては、まあ。
そして俺に対しての「フード外せば」なんて。
別におかしい訳ではない。一般的に見ればの話ではあるけど
自ら面倒事を増やしていくなんて、それに俺にフードを取らせればどうなるか分かっているだろうに。
どーゆーつもりだろうか。
そんな事を思いつつも、結局俺はフードを取るんだけど。
頭の上の布を掴んで一気に下ろした。
さらりと頬にかかる癖のない銀髪、白い頬、輝く青い目が晒される
視界が広くなって、どことなく違和感を感じる。
それからさらに静かになった空間にも。
目の前の目を見開く店員にも。笑いが出そうだ
「ちょっと待って」
「何あれ」「お、おとこ?」 「負けた、、?」
「誰あの美人。モデル?」「ばっかじゃないの?あんな美形見たら一生忘れないわよ」
「え、何。顔面偏差値壊れてる?」
「これでいいか」
「うん、悪いねぇ、後で役に立つから」
「、、ああ」
ああ、やはり。
視線がうるさい
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