束の間の、、はず?

9/12

1156人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
 「そろそろフード外せば」 なんて、普段は言わないくせに。 張り詰めた空間の中、一方的なアレンの話をただ頷いて聞いていた。 買い物もせずにただ喋るだけ。 近づいて来た店員に対しては、まあ。 そして俺に対しての「フード外せば」なんて。 別におかしい訳ではない。一般的に見ればの話ではあるけど 自ら面倒事を増やしていくなんて、それに俺にフードを取らせればどうなるか分かっているだろうに。 どーゆーつもりだろうか。 そんな事を思いつつも、結局俺はフードを取るんだけど。 頭の上の布を掴んで一気に下ろした。 さらりと頬にかかる癖のない銀髪、白い頬、輝く青い目が晒される 視界が広くなって、どことなく違和感を感じる。 それからさらに静かになった空間にも。 目の前の目を見開く店員にも。笑いが出そうだ       「ちょっと待って」    「何あれ」「お、おとこ?」 「負けた、、?」    「誰あの美人。モデル?」「ばっかじゃないの?あんな美形見たら一生忘れないわよ」    「え、何。顔面偏差値壊れてる?」 「これでいいか」 「うん、悪いねぇ、後で役に立つから」 「、、ああ」 ああ、やはり。 視線がうるさい
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1156人が本棚に入れています
本棚に追加