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巨大な看板。
目に映るのは、人のゴミ。(=人混み)
「気持ち悪い」
開園間近の今。門に続く道には、行き先が見えない程の大行列。
目的地についたと思った途端に脱力、
普段人に囲まれ慣れているはずなのに、この密着度には吐き気がしてくる。
「あはは、オレらすごい注目浴びてるねぇ」
「視線がうざい」
おまけに視線の嵐。
キラキラ、そんな音すら聞こえてきそうな外見良し男と、肌を一切見せない黒完全防備の人。
異色すぎるこのコンビは何処に行っても人の目を惹くようで。
(しかも、チラチラ見てくるのが、余計うざい。)
引き返そうかと本気で思った。
「特別優待券をお持ちの方は、こちらにお願いします」
スピーカーを通したアナウンスが響き渡った。
これは、、、
「なぁ、お前の券何?」
「特別優待券」
「行くか」
「そうだね!!」
これはチャンスだ。
並びかけた列にパッと背を向けて、前へと歩く。
大行列の横を歩いて行くわけだから、やはり周りからの視線は付き物だ。加えて、彼らが持つものはレアチケットだと証明しているようなものだから。
「いいなぁ」なんて言葉が聞こえてきた気がした。
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