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「「は?」」
酷く聞き覚えのある声が、鼓膜を破って頭を殴ってきた(比喩だから、比喩)
この時の衝撃は多分、ここ一番ででかいやつ。
セーフティーガードさえ無ければ、多分蹴り飛ばしに行っていただろうと思う。
でもそんなこと出来るわけもなくて、
己の格好など気にする余裕もなく、2人して首をありえないくらいの角度で回転させた。
「なあなあ、オレも乗せてくれよ!!」
「、、え、、、」
そこにいたのはもっさり頭、、ではなく。
茶髪の可愛らしい顔をした、声のでかい、スタッフに絡みに行くも明らかに引かれている、
見た目と内面の食い違いが恐ろしい。なんとも情報過多の少年の姿があった。
おまけに見たことがある顔。
「おい、待てよ。」
「なーんで、あいつがここに居るかなぁ」
顔だけは良いせいか、最初こそはスタッフ達も好意的な笑顔を浮かべていたが、
だんだんめんどくせぇとでも言いたげな顔へと変わっていった。
おい、お前ら、ちょっとは隠そうとしろよ。気持ちは分かるけど
で、完全放置の俺たちは。
「帰りたい」
一瞬にして立ち退きたい衝動に駆られた俺を、苦笑いで見るアレンという図に変わっていた。
さっさとそいつも乗せて、動かせよ。
これが俺の願望だ。
どうせ身バレはない、シフォンとしての姿をあいつは知らない。
こちらが一方的に彼方の存在を把握しているだけであって、実際問題は無い。
そう、目さえつけられなければ。
目さえつけられなければ。
「おい、お前たちもオレも一緒に乗って良いと思うよな!!」
降りようかな。
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